11月11日9時0分4秒にTmallの売上高は史上最速で1,000億元を突破した。このスピードは昨年を超え過去最速となっている。2016年に1,000億元を超えたのは19時間程度かかっていた。
開始52秒、10億元を突破。開始3分、100億元を突破。開始5分22秒、この時点での売上高は昨年の1.1倍のペースになっていた。開始6分05秒200億元を超えた。開始40分、500億元を超えた。そして、Tmallでユニクロ、NewBalance、Hair、シャープ、Mediなどを含む62個のブランドが開始1時間で、売上高が1億元(17億円)を超えている。
一方、中国でTmallに次ぐ第二位の流通総額を誇る、JD(京東)は、開始7時間46分で、「全球好物節」の注文金額は1,000億元(約1.7兆円)を突破した。これはTmallを上回るペースとなっている。JDは家電の取り扱いが多いため、特定の商品を決め打ちしたい消費者の出足が非常に早いことが影響しているものと思われる。注文数が最も多い商品はモバイル、タブレット、エアコン、ノートパソコン、洗濯機である。注文金額が最も高い地域は広東、北京、江蘇、上海、四川である。
2009年から始まり今年で9年目を迎えた、中国アリババグループのTmallで開催されている独身の日(W11)のオンラインのキャンペーンが11月11日に開催された。その結果、Tmallはこの一日の売上高が1,682億元(約2.87兆円)に上り、昨年の1,207億元を超え、今年も過去最高を記録した。開始40分で500億元を超え、9時0分4秒にTmallの売上高は史上最速で1,000億元を突破。正午時点の売上高は1,161億元となり、最終的に1,682億元で着地した。
Tmallなどのアリババグループ以外にもこのW11のオンラインキャンペーンは急速に拡大しており、中国第二位の流通総額を誇るJD.com(京東)でも、大規模なイベントは開催。同じく11月11日の1日のJD.comの売上高は1,271億元(約2.17兆円)に達し、こちらも過去最高となった。特にJD.comは昨年が401.9億元だったため、この1年で3倍以上も売上高を伸ばす結果となった。日本円で見ると為替レートの関係で3.4倍となっている。JD.comはTmallを上回すペースとなる、開始7時間46分で、1,000億元(約1.7兆円)を突破するなど、今年は開始当初から大きく売上を伸ばしていた。
今年のこの1日の売上高である、Tmallの1,682億元(約2.87兆円)と、JD.comの1,271億元(約2.17兆円)を2016年の1年間の日本での流通総額と比較してみよう。楽天の2016年の流通総額は3兆95億円となっており、この日のTmallの値とほとんど変わらないことが分かる。また、2016年の1年間のAmazon Japanの流通総額は1.85兆円と推測されているため、TmallもJD.comもたった1日で、日本におけるAmazonの年間の流通総額を軽々とクリアする、という驚異的な数値を記録していることが分かる。
さらに、TmallとJD.com以外のモールの値も見ていこう。中国のBtoC向けモールで、Tmall、JD.comに次ぐ第三位となっているVIP(唯品会)の11月11日の売上高は800万元超だと発表されている。そのうちPC端末は5.3%、モバイル端末は94.7%を占めるなど、モバイルへのシフトが鮮明となった。売上高がトップ10の都市は北京、重慶、成都、深セン、広州、武漢、西安、昆明、長沙である。