中国輸入は国際貿易になるため、買い手側と売り手側の責任範囲や細かな費用の負担など、トラブルを避けるためにもルールを知っておかなくてはいけません。
取引条件によっては、リスクが高いケースやコストが上がってしまうケースも考えられます。
中国輸入の場合は、「FOB」「C&F」「CIF」という3つの取引条件を使うことが多いです。
今回は、この3つ（「FOB」「C&F」「CIF」）の特徴や条件についてご紹介します。
FOBの特徴や条件
FOB（Free On Board）とは、船に積み込むまでの部分は売り手側が責任を持ち、船に積み込まれた時点で買い手側に専任が移行する条件です。
費用に関しても船に積むまでの費用や手続きは売り手側となり、船に積んで以降の費用や手続きは買い手側となります。
FOBのポイント
FOBは責任の所在がわかりやすく分かれており、中国輸入でも良く使われる取り決めです。
買い手側が輸送ルートや保険等を決めるので、コストとリスクのバランスを決められます。
運送コストは仕入れる量が多くなるほど、負担が重くなってくるので物流会社と交渉する余地も出てきます。
また、船の積み込みを境に責任の分岐がわかりやすくなっているので、トラブル回避にもなりやすいでしょう。
ただし、専門的な手続きがあるため、慣れていないと不備が出る恐れがあります。
一般的には物流のパートナー企業に依頼して、手続きや手配をするケースが多いです。
C＆Fの特徴や条件
C＆F（Cost & Freight）とは、船による海上輸送費用を売り手側が持ち、保険料の部分を買い手が持つという取引条件です。
売り手側は指定された港までの運賃を含んで商品を販売します。
買い手側は輸送中のリスクに対して、どれくらいのコストをかけるか決められます。
C＆Fのポイント
C＆Fは輸送コストが含まれた金額で商品を買うため、余計なコスト計算を減らせます。
輸送手続きも売り手側に任せるので、手続きの手間が省けるのもメリットです。
中国輸入に不慣れで輸送手続きに不安がある場合は、慣れている売り手側に任せられるところも大きなポイントになるでしょう。
また、保険の選択は買い手側で、コストを重視するか安心を重視するか判断できます。
CIFの特徴や条件
CIF（Cost,Insurance,and Freight）とは、輸送費用や保険費用などすべて売り手側が負担する取引条件です。
買い手側は、輸送費用や保険費用が含まれた価格で購入するだけで、基本的にはそれ以外の費用や手続きなどを考える必要がありません。
一番シンプルな取引条件であり、売り手側にはリスクがない方法です。
CIFのポイント
CIFは買い手側が中国輸入に不慣れな場合や、リスクを避けたいという場合に最適な方法です。
輸送手続きなども含めて売り手側に任せられるので、余計な手間もなくトラブルがあってもリスクを負う必要がありません。
また、価格に輸入費用や保険費用が含まれているので、コスト計算もしやすくシンプルです。
少しでも輸入コストや保険コストを下げたい場合には不向きな方法になります。
まとめ
中国輸入では、輸入や保険でかかるコストを無視することはできません。
また、輸送中でトラブルが起きることも珍しくないため、責任の所在をはっきりさせておくことも大切なポイントです。
どこを重視するかによってFOB・C&F・CIFの使い分けが変わってきますが、それぞれの特徴を理解して決めるようにしましょう。
